更新日:2024年5月21日
本コラムでは、コールセンターの課題を解決するためのVOC分析の活用事例をご紹介します。導入前の課題や実施した施策を事例をもとに、紹介しますので、ぜひご参考にしてください。
目次
活用できるVOC分析とは
課題①:FAQページに追加するQAを作成したい(鉄道業界)
課題②:チャットボット・FAQの使い方の最適解を知りたい(サービス業界)
課題③:FAQを追加しているが、効果が出ない(メーカー業界)
活用するために重要なポイント
まとめ
1. VOC分析とは
VOC分析は、顧客の声・意見を分析することで、企業のサービスや商品のマーケティング改善に活用する方法です。
VOC分析で活用をしたいと思っていても、具体的な活用方法を知らない方も多いのではないでしょうか?
今回は課題や事例をもとに具体的な活用方法をご紹介いたします。
2. 課題①:FAQページに追加するQAを作成したい(鉄道業界)
鉄道を利用しているユーザーから乗換案内や料金を知りたいという問い合わせが多い企業の事例です。FAQページは存在するものの、100件程度しかないため、音声データからQAを作成することで、入電数を削減したいという課題でVOC分析を実施しました。
【導入前の課題】
現在のFAQが100件しかないため、増やしたいが、どのようなQAを作成すれば良いかわからない
音声データからFAQを作成することで、ユーザーが知りたい解決したい情報としてQAを作成することができるのではないか
【VOC分析の実施内容】
月間の問い合わせ半分程度の音声データをテキスト化し、問い合わせの要約を実施した
問い合わせ内容をQAとして作成したいという要望があったため、カテゴリだけでなく、問い合わせを文章レベルで抽出した
【VOC分析の結果】
音声データから乗換案内や料金案内等や遅延証明書等、駅構内でよく聞かれる内容がどれくらいの頻度で問い合わせをしているかを明らかにした
よく聞かれる問い合わせの上位200件を作成することを提案した
また、よく聞かれる質問を提案することはもちろん、音声データからWEBページをみても良くわからないという声が多かったため、WEBページをわかりやすくするため、サイトの構成やサイト内検索・コンテンツ等の改善提案を行った
3. 課題②:チャットボット・FAQの使い方の最適解を知りたい(サービス業界)
一般ユーザー向けに自社ブランドの服をサブスクで展開している企業の事例です。発送日を変更したい、支払方法を変更したい、解約をしたい等の問い合わせが多く、できる限り、WEB上で問題を解決してもらいたいという問い合わせが多い企業となります。
【導入前の課題】
チャットボットやFAQシステムを利用しているが、コールセンターにたくさんの問い合わせがきている
ログはとっているものの、チャットボットとFAQシステムの使い分けを整理し、ユーザーの利便性を促進することで、自己解決数を最大化したい
【VOC分析の実施内容】
2か月分の電話経由の問い合わせをテキスト化・問い合わせ要約を実施した
問い合わせ要約時に①電話をする前に、何か確認をしたか ②なぜ問い合わせをしようと思ったか をあわせて音声データから抽出を実施
【VOC分析の結果】
振り込み関連の問い合わせは振込用紙等から、発送に関する問い合わせは発送完了メールから問い合わせが発生していることが明らかになった
そのため振込用紙によく聞かれる問い合わせTOP10をQRコード化し掲載、問い合わせメールもよく聞かれる問い合わせTOP10をまとめたURLを記載することで、疑問発生から最短で解決できる施策を提案した
また、チャットボットとFAQツールの利用に関して、音声データから利用の割合を抽出と、利用件数データを掛け合わせて方針を決定し、それぞれのツールに追加するQAを提案した
4. 課題③:FAQを追加しているが、効果が出ない(メーカー業界)
電気商材を代理店向けに販売している企業様の事例です。
”この部屋に合った適切な商品がわからない”、”商品の設置方法がわからない”という問い合わせが多く、FAQを2年前から追加しているものの解決できないという課題でVOC分析を実施しました。
【導入前の課題】
オペレーターのログを基に、FAQを追加しているが、入電数を削減することができない
入電数を削減するにあたり、どのような施策を実行すれば良いかを知りたい
【VOC分析の実施内容】
特定の商品に絞った音声データ2,000件程度からテキスト化・問い合わせ内容を要約
個別の確認やその場で施工する場合の問い合わせが多いため、FAQで解決できる問い合わせと解決できない問い合わせを明らかにした
【VOC分析の結果】
ログの粒度はオペレーターによって異なるため、ログを記載する場合に必要な要素を追加した
解決できない問い合わせは入電数削減をするための施策を提案した
5. 活用するために重要なポイント
VOC分析をする際には、何を明らかにしたいかを明確にすることが重要です。それにより、音声データから何を抽出するかが決定するからです。これにより、音声データを単なる情報として蓄積するだけでなく、運用を効率的化するための資源として取り扱うことが可能となります。
6. まとめ
今回は課題別のVOC分析の活用事例を解説しました。顧客の声は、適切に分析・活用することでさまざまな改善につながる企業にとっての大きな財産です。目的を明確にした上で有用なツールも活用しつつ、ぜひVOC分析にチャレンジしてみましょう。
アイビーデータでは、ChatGPTを搭載することで、精度の高い分析を行うことが可能となっています。自社にどのようなシステムが必要か判断に迷っている方はぜひこの機会に弊社までご相談ください。コールセンター関連の相談はこちらの問い合わせフォームからいつでも承っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
コールセンターの効率化を検討の際は、ぜひご活用ください。
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